こんにちは、ヘレンです。
美しくも深い物語の世界へ
あなたをいざなう
「宝塚ヘレン劇場」へ
ようこそ
あなたは、これまでの人生の中で
「むなしさ」
を感じたことはありますか?
「むなしさ」はネガティブな感情で、
排除すべき悪いもの、
そんなイメージがありますし、
私もそう思っていました。
しかし、ちょっと待ってください。
「むなしさ」を感じるということは、
その生き方は間違っているよ
というサインかもしれません。
これまでの生き方を見直し、
新しい人生を切り開くきっかけになる
かもしれません。
今日の物語の主人公は
ヤマトタケル
私は、彼が大好きで、
古代日本史上、最大のヒーローだと
思っています。
一方で、たくさんの辛い経験をした
悲劇のヒーローでもあります。
もし、彼が、
人生の途中で「むなしさ」を感じて
生き方を変えていたら、
もっと幸せな人生を
生きることができたかもしれません。
そう思って、彼の物語を書きます。
※完全フィクションです。
ご理解の上、この先、お進みください。
~ タケルの物語 ~
昔々、日本という統一国家が生まれる
もっとずっと前、
この地では、大小、多く国が乱立していました。
そんな頃のお話です。
最も大きな国で、ヤマトと呼ばれる国がありました。
その国の王にはたくさんの息子がいました。
みんな、猛々しく、勇ましい男の子です。
しかし、末っ子のタケルは、力が弱く、
心優しい男の子でした。
タケルは、父が大好きで、
父の姿が見えないと、いつも
「父上、父上」
と、父を探していました。
しかし、父王にとって必要なのは、
強い力。
弱い息子など、不要な存在です。
父王はいつもタケルを邪険にしていました。
成長するにつれ、タケルはそれに気づきます。
父に認められるため、
強くて勇気がある男になろうと
決意しました。
武芸に励み、
いつしか、タケルは誰よりも
強い男に成長しました。
タケルは、
毎日自分に言い聞かせます。
僕は強い!
僕は強い!
僕は、強くて勇敢な男だ!
そう言い聞かせないと、
元来心優しいタケルは
人を殺すことなんてできません。
みんなが震えあがるような戦でも、
タケルは先陣を切って挑み、
たくさんの敵を殺し、
見事な戦果を挙げ続けました。
それが、父王に認められる唯一の方法だと
思っていたからです。
しかし、父王がタケルの戦果をねぎらい、
優しい言葉をかけることはありませんでした。
タケルは思いました。
この程度の戦果では父王は
満足しないのだと。
ある日、成人した息子たちに、父王は言いました。
さらに、この国の領土を広げるときが来た。
我々と対立するすべての国を滅ぼす。
まずは、最も強大な国、クマソを滅ぼす。
この中で、クマソ征伐に志願する者はいるか?
誰も手を挙げません。
それもそのはず、クマソは強大で
武力の強い恐ろしい国です。
これまで多くの戦士が
クマソの軍隊に殺されています。
クマソと戦うという事は、
死にに行くようなものです。
父王は続けて、言いました。
「タケル、
お前はクマソを征伐することができるか?」
タケルは震えあがりました。
しかし、恐怖に震える身体を抑えながら
タケルは勇気を振り絞り、言いました。
「私が行きます」
その瞬間
他の兄弟たちは安心しました。
これで自分たちの身の安全は守られたからです。
最低限の軍隊のみが与えられたタケルは
クマソ征伐に向かいます。
そして、見事、
クマソを征伐することができました。
タケルは、喜びました。
これで、父王から認められる。
これで、僕は
父王の愛を得ることができる。
しかし、ヤマトに戻ってきたタケル
に父王は言いました。
「次は東を征伐せよ」
タケルは、愕然とし、
やっとの思いで一言答えました。
「、、はい」
父王は僕の目すら見てくれなかった。
僕はただ、父に愛されたいだけなのに。
翌日、タケルは、ただ一人、
東に向かいました。
東の国についたタケルは
衝撃を受けます。
そこは、ヤマトとは全く異なる国でした。
軍事国ではなかったのです。
そこには、豊かな自然と、
優しい人々が住む平和な国でした。
父王はこの国を滅ぼすと
言っているのか!?
この国には、王と呼ばれる存在すらいません。
この国の人々は、上からの指示で動くのはなく、
自らの意志で、生きていたのです。
タケルは、この国で生きたい、
そう思いました。
そして、彼が
ヤマトに戻ることはありませんでした。
父王は、東の国を征伐するため、
別の息子を東に送りますが、
東の国はとても強く、
ヤマトはこの国を征伐することができませんでした。
ヤマトが東の国の征伐に
躍起になっているスキを突いて、
ヤマトは別の国に
滅ぼされてしまいました。
のちの言い伝えでは、
その東の国の、リーダーは
タケル
という名前だったそうです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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