パラダイムシフトで自分らしく生きる~「アリとキリギリス」より

こんにちは、ヘレンです。


美しくも深い物語の世界へ
あなたをいざなう

「宝塚ヘレン劇場」へ

ようこそ



アリとキリギリスという童話を
皆さん、ご存じだと思います。

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本来の話は、

遊びほうけたキリギリスが
飢え死にして

一生懸命働いたアリが
幸せになる


という話。



一方、ここ最近の
働き方改革により、

違う見方が広がっています。


アリの働き方は間違っている、
アリは働きすぎで
過労死してしまった


キリギリスのような
生き方こそ素晴らしく

これこそ、
私たちが見習うべき生き方だ、と。




私はどちらの物語にも
疑問を持っています。



なぜ、そもそもキリギリスが
不真面目という前提なのでしょうか?


もしかしたらキリギリスは
超真面目な性格で、


あるきっかけで、
パラダイム・シフトが起こり、

自分らしい自由な生き方に
転換したのかもしれない。



そう思って、
物語を書いてみました。



1.アリとキリギリス
~超真面目なキリギリス~


昔々、あるところに、
一匹のキリギリスがいました。


キリギリスは、
とてもとても真面目な性格で


学校では
学級委員も率先して務める
超優等生で、


誰よりも一生懸命、勉強して、
一番の成績で卒業し、


そして、一流の大企業に
入社することができました。


その会社で、
キリギリスは

朝早くから、
夜遅くまで

一生懸命に働き、


トラブルが発生すれば、

たとえ休日であっても率先して、
対応をしていました。


キリギリスは、
その会社で、とても活躍していました。


その活躍を見込まれ、
キリギリスは

会社で一番の花形の部署に異動になりました。

キリギリスはとても喜びました。

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しかし、その部署はノルマにとても厳しい部署でした。


キリギリスの上司のアリ課長は、
いつもイライラしていて、


毎日、部下たちを叱り飛ばしていました。
アリ課長は決まってこう言います。


「お前ら、もっと成長しろ!!
もっと自分を追い込め!!」


そして次第に、イライラの矛先は、
新人のキリギリスに向けられます。


「キリギリス!
お前はどうしてこんなこともできないんだ?


お前は能力が低い、
だから仕事が遅いんだよ。


俺はな、
決してお前を責めているわけではないんだぞ


お前がもっと成長するために
わざわざアドバイスしてやっているんだぞ!!」



アリ課長は、

仕事が上手くいくための
良い方法をアドバイスするわけではなく、


毎日のように
キリギリスの人格を否定し、

怒鳴り続けました。



そんな毎日が半年続き、
ある日、キリギリスは

ストレスで声が出なくなってしまいました。



キリギリスは
虫病院に行ったところ、
こう言われました。


「うつ症状が出ています。」



キリギリスは会社を
休むことになってしまいました。



2.病気で気づいた大事なこと



こうしている間にも他の虫たちは
ドンドン成長して、活躍しているのに、


僕は、こうやって
ベッドで寝ていることしかできないのか、、


仕事のストレスから離れたおかげで
声は出るようになりましたが、


キリギリスは悔しくて悔しくて
涙が止まりませんでした。


早く良くなって、
会社に戻って

もっと成長して、
出世するんだ!

それこそが僕の使命なんだ。


毎日そう思いながら、


泣いて泣いて、
そして眠って眠って、

起きたらまた泣いて、


を繰り返し、
キリギリスは

ふとあることを思い出しました。



僕は子供の頃、
バイオリンが好きだったな。


久しぶりに、
バイオリン弾いてみようかな。



押入れの奥から
バイオリンを取り出し、


キリギリスは
夢中でバイオリンを弾きました。



そしてキリギリスは



原っぱに行き、
バイオリンを弾き始めました。


するとたくさんの虫たちが
原っぱに集まってきました。


みんな、うっとりとキリギリスの
演奏を聴いています。


感動して涙を流している虫も
出てきました。


演奏が終わったとき、
スタンディング・オベーションで

拍手が鳴りやみませんでした。



キリギリスは
感動で涙が止まりませんでした。



すっかり、うつ病が治ったキリギリスは、
会社に戻り、


アリ課長に言いました。


僕を出世コースから外してもらって構いません。

会社で成績を上げて出世することだけが
僕の成長ではないと気づいたからです。



僕は、自分にとって何が大切か
病気になってやっと気づくことができました。


周りの虫たちを幸せにするために、
僕の持っている価値を高め、提供する。


これこそが僕の成長です。



キリギリスの顔つきはとても
清々しく、

以前よりも立派に成長しているように
見えました。



あなたも、原っぱに行くことがあれば、
耳を澄ましてみてください。

どこからともなく、
優しいバイオリンの音が聞こえてくるかもしれませんよ。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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それは刷り込みかもしれません。


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「自分らしく生きる」とは、
決して大それたことをすることではありません。

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