宝塚・浅茅が宿~雨月物語とパラレルワールド

こんにちは、ヘレンです。


美しくも深い物語の世界へ
あなたをいざなう

「宝塚ヘレン劇場」へ

ようこそ



1.浅茅が宿



浅茅が宿(あさじがやど)

をご存じですか?



古典・雨月物語(うげつものがたり)
の中の作品です。


雨月物語というと怖い話
というイメージが
あるかもしれませんが、


どちらかというと、今でいう
「世にも奇妙な物語」
のような位置づけ、


パラレルワールドの
世界観です。

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1998年宝塚歌劇でも
上演されました。


当時の雪組トップスター、
轟悠(とどろき・ゆう)さん主演の
作品です。


当時は、駄作と言われ、
散々な評価でしたが、


私にとっては
大好きな作品です。



その魅力は、

拍子木の「チョンパ」で始まる
華やかなオープニング、


そして、

人間の欲が招く悲劇と
パラレルワールドを感じさせる
不思議な世界観



私は、ビデオテープが擦り切れるほど
繰り返し繰り返し観ました。



2.あらすじ


田舎生まれ田舎育ちの勝四郎は
京の都で出世したいと
常々思っていました。


幼馴染で妻の宮木(みやぎ)は
心の中では、

勝四郎とずっと一緒にいたい

と願いながら、


一方で、勝四郎の夢である
都会で出世することを
応援していました。


勝四郎の念願が叶い、
彼は京の都で
仕事をすることになりました。



3年後の春に
立派に戻る、

そう、宮木に言い残して。


京の都で彼は懸命に仕事をし
周囲に認められていきます。


3年の約束はとうに過ぎています。


そしてある日、
彼は一人の女性と出逢います。


眞女児(まなご)です。

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勝四郎は、

彼女の美しさと
不思議な魅力に夢中になりました。


仕事も疎か(おろそか)になるほど。


しかし、眞女児の本当の姿は、
この世のものとは思えぬ
化け物でした。



女性にうつつを抜かしていたがため、
仕事の評価も下がり、

女性にも騙され、


意気消沈の勝四郎は


ふと、故郷を思い出します。


3年経ったら帰ると言ったのに、
もう7年も過ぎてしまった。



故郷に帰ろう。

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勝四郎は、故郷に帰ってきました。

7年前と変わらぬ家、
宮木が笑顔で迎えてくれました。



宮木は言いました。


あなたの帰りを
一日千秋の思いで待っていました。

今夜はこれまでの話を
たくさん聞かせてください。



勝四郎は言います。

君と再会できて嬉しい。
でも今夜はもう疲れた。


明日、話をしよう。


そう言って
勝四郎は眠ってしまいました。


翌朝、目が覚めると、
そこに家はありません。


宮木の姿もありません。


実は、宮木は
すでに死んでいたのです。


勝四郎に会うため、
一晩だけ、この世に戻ってきたのでした。


3.パラレルワールド


私はこの作品を観て
思いました。


勝四郎が京の都に行ったとき、
2人の世界線は分かれたのだと。



勝四郎は都会に出て
仕事をバリバリして立派に
出世する世界へ


宮木は家族とささやかに
幸せに暮らす世界へ



なので、勝四郎が
故郷に戻ってきても
もう宮木はいなかったのだと。



物理的に故郷に
戻ってきても

その世界に宮木はもう
いないのです。



もしあなたが
生まれ育った故郷から離れて
今、別の土地で暮らしていたとして、

帰省した時、
懐かしさの中に

何か違和感を感じることはありませんか?


あなたはもしかしたら
故郷を出た時点で

別の世界に移動していたのかもしれませんね。


今日はちょっと不思議な
お話をしました。



歴史の真実を妄想する
ちょっと不思議な物語シリーズ、
読んでみてください。
大奥は女の園だと思い込んでいませんか?
それは刷り込みかもしれません。


桃太郎は「善」で、鬼は「悪」は刷り込みか!?


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