大奥の真実~女の園でなく日本最大の教育機関だった!?

こんにちは、ヘレンです。


美しくも深い物語の世界へ
あなたをいざなう

「ヘレン劇場」へ

ようこそ



今日は、ヘレンが書く
物語シリーズです


今回の物語の舞台は

江戸城「大奥」


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そう聞くと、
ドロドロした女の園
をイメージするかもしれません。


でも、それは単に
ドラマの影響かもしれません。



1.大奥の真実


大奥は、女性たちの衣装や
身を飾る宝飾品に
莫大な金額がかかっており、

一時は幕府の財政を圧迫するほどの
予算が充てられていた

と言われていますが、

果たして、衣装代でそんなに
金額がかかるでしょうか?


ここからはヘレンの推測です。


大奥が、

お世継ぎを
「生む」ための機関ではなく、


お世継ぎを
「教育」するための

当時、日本の最大の
教育機関であったとしたら


莫大な予算がかかっていたとしても
納得行くような気がしませんか?


現代の日本ではさほど教育に
国家予算を充てていないので

あまりピンと
来ないかもしれません。



UNESCO統計による、
GDP比率に対する
各国の公的教育費を比較したデータによると、

181か国中
日本は135位の
3.18%

1位はキリギスの
12.39%でした。
※GLOBAL NOTE国際統計サイトHPより引用


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もし、大奥が
日本最大の教育機関であり、

幕府の年間予算の10%を
そこに充てていたとしたら、


「衣装代で財政を
圧迫していました」

というよりも説得力があると
思いませんか?



優秀な少年や、
場合によっては少女を

全国から集め、

彼らの才能、個性を伸ばすための
英才教育をしていたのかもしれない。


その中から、次の将軍にふさわしい人を
選んでいたのではないか。

例えば、
国が荒れている時や
大名たちが反乱を起こしそうな時は

腕力が強く、周りを威嚇するような
いわゆる「強い」人材を将軍に、

国が穏やかな時は
法整備やクリーンな政治ができる
人材を将軍に、

という具合で。



とすると、

「側室」と呼ばれる女性たちは、
将軍の寵愛を競う存在ではなく、


地元、親元を離れて暮らす
将軍候補の少年、少女たちを
教育するための


世話役兼、メンタルケアの
要員だったのではないか。



もしそうだったらという仮定で
物語を書きました。


テーマは、

苦手を克服するのではなく、
好きなことを極めることが大事

というお話です。


2.将軍候補生となった
少年の物語

2-1.好きなことを学ぶ


徳川将軍の治世の時代、

江戸から遠く遠く離れた、
とある田舎から


1人の少年が
お侍さんに連れられて

江戸城に
やってきました。


将軍候補として、
「大奥」で
教育を受けるためです。


少年の名は、
「小太郎(こたろう)」


大奥に上がり、
身なりを整えていると、

1人のきれいな大人の女性が
やってきました。


世間でいう、
「ご側室様」で、

名前は、
「吉乃(よしの)」



吉乃は言います。


「今日からわたくしが
あなたの母です。

困ったことがあれば
すぐに、わたくしに相談なさい。


今日から、あなたは

学びたいことを何でも自由に
学ぶことができます。


あなたが学ぶためなら、
いくらかかっても構いません。


あなたが好きなことは
何ですか?」



小太郎は少し緊張しながら、
でもはっきりと答えます。

「おらは、
星を見るのが好きじゃ」

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それから、小太郎は
毎日毎日、
大好きな天文学を
勉強しました。


有名な天文学の先生を
江戸城に呼び寄せ、

小太郎のために
講義をしてもらいました。


小太郎のために
珍しい書物をたくさん
取り寄せ、

小太郎はそれを
むさぼるように
読んでいました。


時には、
日本ではとても貴重な
天体観測のための道具を
取り寄せ、

小太郎は
毎夜毎夜、

星を眺めておりました。


2-2.大事なのは
好きを伸ばすことか
苦手克服か


しかし、次第に
小太郎は不安になってきました。

大奥には
自分と同じように
教育を受けている少年が
たくさんいます。


他の少年たちの多くは、

鷹狩をしたり、
弓の稽古をしたり、
相撲の稽古をしたりして

腕力を鍛えていました。


それなのに、
自分は部屋にこもって
書物を読んだり、

夜な夜な
星を眺めるばかり。


他の子たちと同じように
腕力を鍛えないと、
自分は将軍にはなれない。



好きなことばかり
していてはだめだ、

自分の苦手なことを
克服しなければ!


そう思った小太郎は、

天文学の書物を読むのを止め、
大好きな天体観測も止め、


苦手な
鷹狩や弓や相撲の稽古をするように
なりました。


しかし、小太郎は
運動が苦手で、


鷹狩では
一度も獲物を捕らえることが
できず、


弓はあさっての方向に飛んでいき
弓の先生に怒られるばかり、


相撲では
弱すぎて誰も
相手にしてくれません。


自分のダメダメぶりに
小太郎は

毎日、自分を責めていました。


ほらやっぱり、
自分はダメな子なんだ。


何もできない子なんだ。


江戸に出してくれた
田舎のおっかあ、おっとうに
申し訳がない。


それを見ていた

ご側室様兼、
小太郎の養母の

吉乃(よしの)は、
小太郎を自室に呼び、

こう尋ねました。


「小太郎、なぜあなたは、
好きな天文を学ばないのですか?

嫌いになったのですか?」



小太郎は答えます。

「天文は大好きです。

しかし、天文を学ぶだけでは
私は将軍にはなれません。

将軍になるには、
他の子のように
腕力を鍛えねばなりません。

好きなことだけをしていては
ダメなのです。」



それを聞いた吉乃(よしの)は
きつい口調で叱りました。


「他の子と同じことをしたいのなら
この大奥を出ていきなさい。


ここは、<あなただけの才能>を伸ばす
唯一の学び舎(まなびや)です。」


吉乃(よしの)のあまりの迫力に、
小太郎は何も言い返せません。

吉乃(よしの)は、続けて言います。


「よくお聞きなさい。

あなたが苦手なことは、
別の子が得意なこと。

別の子が苦手なことは、
あなたが得意なこと。


それが世の仕組みです。


苦手なことがあるなら、
それを克服するのではなく、

それを得意とする子に
させなさい。

それが世が
うまく回る仕組みです。



みなが
同じことを
同じように学ぶ

というのは

世の仕組みから外れています。



苦手なことを無理して
頑張る時間があるのなら、

その時間で好きな天文を
学びなさい。



好きなことを
全力でする

それがあなたが
大奥でなすべきことです。



将軍になるならないは
全く別次元の話です。」



それから小太郎は、

苦手な鷹狩や
弓の稽古や
相撲の稽古に

費やしていた時間をすべて

大好きな天文を学ぶ時間としました。



そして、時が経ち、
次の将軍には

小太郎ではない
別の子が就任しました。


しかし、小太郎は、
天文の知識を生かし、


干ばつ、洪水などの異常気象、
台風の襲来する時期や地域を
予測し、

その年の稲の出来を
予測することにより、

飢饉にならぬよう対策をする
重要な幕府の職に就き、

将軍の側近として活躍しました。


そして、
その将軍の治世においては、

飢饉が全く起きなかったという

誰にもマネのできない偉業を
成し遂げたのでした。




ヘレンが書く、

大奥の真実~「好き」を伸ばせ

の物語でした。


あなたの
「好きなこと」は何ですか?



最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。



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