桃太郎に退治、滅ぼされた鬼「温羅(うら)一族」と鬼ノ城

こんにちは、ヘレンです。


美しくも深い宝塚の世界へ
あなたをいざなう

「宝塚ヘレン劇場」へ

ようこそ



今日は、ヘレンが書く
物語シリーズです


今回の物語は


桃太郎に退治された鬼として
知られている

温羅(うら)一族の伝説


を元にした物語です。



1.鬼にされた「うら一族」


私は学生時代、
岡山に住んでいました。


岡山では毎年、
「おかやま桃太郎まつり」
というお祭りが開催されていて、


その祭りで最も盛り上がるのが、

「うらじゃ」

という、踊りでした。



顔にペイントをして、
踊りながら繁華街を練り歩く
パレードで、

とても華やかなお祭りです。


岡山出身の人に教えてもらいました。



「うらじゃ」とは、

桃太郎に滅ぼされた
温羅(うら)一族

のことだと。


正しくは、


桃太郎のモデルとなった
中央政権の軍隊に
滅ぼされた一族だと。


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初めて聞いたその話に
私は驚愕しました。


小さい頃から、

桃太郎は「善」で、
鬼は「悪」

と思っていたけれど、


その「鬼」にも

家族がいて、
岡山の地で、
平和に暮らしていたのに、


ある日、
中央政権の軍隊がやってきて

一族は滅ぼされ、
土地を奪われ、


挙句の果てに、
極悪非道の「鬼」として、

後の世に語り継がれることに
なってしまったなんて。


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私は、学生時代、
友人と連れ立って、

岡山県の
総社(そうじゃ)市にある、


鬼ノ城(きのじょう)

を訪れたことがあります。



鬼ノ城は、
岡山県観光連盟の
ホームページによると、

「大和朝廷によって国の防衛のために
築かれたとされる古代山城」


とされていますが、
私はそうは思いません。


鬼ノ城は、
朝廷が編纂した歴史書に
記述がないと言われています。


大和朝廷が築いたのなら
歴史書に書くはずですし、


そもそも、朝廷が築いた城に
「鬼ノ城(きのじょう)」
なんて名前を付けるのは

違和感があります。



鬼ノ城は
温羅一族の拠点
だったのではないか、


私はそう思います。



温羅一族は
製鉄技術を持っていた

と言われており、


鬼ノ城のある付近では、
昔から製鉄業が盛んで、

鉄を作る施設である
「たたら場」があったと
言われてています。


今でも、製鉄の企業が
複数あります。



これは、あくまで
私の想像ですが、


大和朝廷が

温羅一族を滅ぼした後、


その城を

朝廷の防衛のための
拠点とした。


大和朝廷は

「温羅(うら)一族は
極悪非道の鬼であった、

だから滅ぼした」

と公表したが、



温羅一族の滅亡を
惜しんだ地元の人々が


彼らのことを忘れまいとして、
その城を、そっと
「鬼ノ城(きのじょう)」

という名まえで呼んでいた


のではないか。



いや、もしかしたら、

温羅(うら)一族の中で
生き残った人がいて、


その人が、歴史から
温羅(うら)一族を
抹消させまいとして、


そんな名前で
呼んでいたのではないか


とすると、

どうやって
戦闘を逃れて
生き延びたのか



そんな、温羅(うら)一族の
物語を書いてみました。



2.物語の登場人物


うら一族の長(おさ)は、
温羅(うら)の呼び方を変えて、

「オンラ」


オンラの妻は、
温羅(うら)の妻である
阿曽媛(あそひめ)
から名前をもらって、

「あそ姫」


中央政権の将軍は、
桃太郎のモデルとなった
吉備津彦の別名、
「ひこいせさりびこ」から、

「ひこい」



3.異聞「温羅(うら)伝説」


昔々、吉備の国の山奥に、
「うら一族」と呼ばれる
者たちがいました。


一族を率いるのは、

「オンラ」と呼ばれる、
若く、勇敢で
優しい男でした。


彼らは代々、
製鉄の技術を持ち、


山を切り開き、
「たたら場」と呼ばれる
鉄を作る施設を作っていました。


そこで作られる鉄は
とても良質で、


街では高値で売り買いされるため、

村には米も着物も豊富にあり、
一族は、とても豊かに暮らしていました。


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そのため、周辺の村から、

「一族に加わりたい」と
願い出る者も数多くいました。


「オンラ」は
その全てを受け入れ、
一族と同じように接していました。


その噂は、
いつしか
中央政権にも届くようになりました。



中央政権の
将軍である「ひこい」は、

部下を集めて、
うら一族の征服について
話をしました。


「吉備の国の山奥に、
鉄を作る一族がいると聞く。

彼らは我ら政権に、
いまだ組しておらず、

独立を貫いていると。


我が政権に組み入れ、
製鉄の技を手に入れれば、


我らの力はさらに
高まる。


軍隊を差し向けて、
少し脅せば、

こちらに組みするであろう。



もし逆らうようなら、
根絶やしにしても構わん。」



そうして、「ひこい」は、
大軍を率いて、

吉備の山奥にある
「うら一族」の村に向かいました。



うら一族の村に到着した
「ひこい軍」は、


彼らの城の門の前で
こう叫びました。


「この吉備の国は、
大王(おおきみ)の土地である。


そこに勝手に
住み着いたお前たちは、

周辺の村から
米や着物や金品を奪い、

村人をさらって喰う


鬼の一族であると聞く。


この門を開き、
たたら場を明け渡せば、

一族の命は助けよう。


逆らえば、皆殺しにする。」


そう言って、
「ひこい軍」は

大量の弓を放ちました。


うら一族の男たちは
急ぎ、戦の用意をしますが、

急な襲来で、
間に合いません。


「ひこい軍」の弓が当たり、
一族の何人かは

怪我をしてしまいます。


戦の用意を整えた「オンラ」は、
一族に受け継がれる

大きな弓を持ち、


軍の後ろで指揮する
「ひこい」に向かって
矢を放ちました。



見事、その矢は
「ひこい」の目に刺さり、

うろたえた「ひこい」は
兵たちに一時撤退を指示しました。



「ひこい軍」が去った後、
うら一族は集まり、話し合いをしました。


「オンラ」は男たちに言います。

「何としてもこの地を守る。
急ぎ、戦の用意を整えるんだ。」


「オンラ」の妻、「あそ姫」も言います。


「女性たちも戦いましょう。

投石機を作り、力の弱い者でも
戦えるようにしましょう。」


数日、急ピッチで戦の用意をしました。


そして、ある日の朝、
「ひこい軍」は先日とは
比べ物にならぬほどの大軍を率いて

村にやってきました。


「ひこい軍」は容赦なく
弓を放ちます。


「うら一族」も応戦します。

もちろん、女性たちも
投石機を使い、
大きな石を軍めがけて放ちます。


均衡状態が続く中、
「ひこい軍」の放った矢が

なんと「オンラ」の目に
刺さってしまいます。


「あそ姫」は
「オンラ」に駆け寄り、

傷ついた夫を抱きしめながら、
言いました。


「オンラ、これ以上は戦えません。
投降し、一族の命乞いをしましょう。」


しかし、「オンラ」は
力強く言い放ちます。


「投降したところで一族は
皆、殺される。

最後の一人になるまで
戦い、この地を守るのだ。」



「あそ姫」は、覚悟を決め、
「オンラ」に代わって、

一族の指揮を取ります。



「あそ姫」たち一族は、
「ひこい軍」に押され気味ではありましたが、
何とか、持ちこたえ、

夜を迎えました。


一族は集まり、話し合いをします。


村の男たちは言います。


「最後の一人になるまで戦いましょう。
オンラ様が重症であることは幸い
気づかれてはいないようです。」



しかし、「あそ姫」は
悩んでいます。


今日は何とか持ちこたえた。
しかし、明日はどうなるか
わからない。


負ければ皆殺し。


投降しても、

世間では「鬼」の一族と
されている我らを

「ひこい軍」が
生かしておくとは思えない。


しばらくの沈黙の後、
「あそ姫」は言いました。


「今夜のうちに、
この地を去りましょう。

新しい土地を求めて、
逃げるのです。」



「オンラ」は
激情して言います。



「何を言う!
血迷うたか!

この地なればこそ、
我らは鉄を作り、
豊かに暮らしてきた。

この豊かな地と
たたら場を明け渡すなど

我らの祖先に顔向けができぬ!」



「あそ姫」は
「オンラ」よりも
さらに力強い声で

言い放ちます。


「土地を守り、
たたら場を守っても

一族が絶えては本末転倒。


我らがなすべきは、

生きること!


後の世に、
一族の血をつなぐこと。


それ以外に
大切なことなどない。」



あまりの迫力と熱意に
「オンラ」をはじめ、

誰も反対する者はいませんでした。



その夜、

一族は密かに、
最低限の荷物だけ持ち


村を離れました。


「ひこい軍」にばれぬよう、
そっと、

そして、少しでも遠くへ。



夜明けとともに、
戦を再開しようとした「ひこい軍」は

村がもぬけの殻であることに驚き、


そして、


豊かな土地と

立派なたたら場、

残された食料や金品を
手に入れたこと、


中央政権に組みしない
「鬼」を退治したことに


喜びの声を上げます。



しかし、彼らはもうすぐ
気が付くことになります。


立派なたたら場を手に入れても、
鉄を作る技術そのものがなく、

鉄が作れぬことを。




一方、「うら一族」は
新天地を求めて、

長い長い旅をし、


新しい土地にたどり着きました。


そして、令和の現在でも
その子孫は生きているそうです。




ヘレンが書く
「温羅(うら)一族」の物語でした。


最後までお付き合いいただき、
ありがとうございました。



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