こんにちは、憑依型女優のヘレンです。
宝塚歌劇に興味はあるけど、
今一歩踏み出せずにいるあなたを
深い沼に引きずり込む、
もとい、、
美しくも深い宝塚の世界へ
あなたをいざなう
「宝塚ヘレン劇場」へ
ようこそ
現実がどんなに苦しくても、
それを嘆くだけでは
現実は変わりません。
自分らしく生きられる明日を
掴み取ることができるのは
他でもない、自分だけです。
そんなことを教えてくれたのは、
島原の乱を描いた、
MESSAIAH(メサイア)
異聞(いぶん)・天草四郎
今日は「メサイア」について語っていきます。
島原の乱にどんなイメージがありますか?
歴史の授業で必ず出てきますね。
島原の乱は1637年。
年号の覚え方は、
「16」歳で、「37(皆)」を率いて
戦った島原の乱。
天草四郎は当時16歳であったと伝えられています。
私は長崎出身なので、
幼いころからこの反乱にとても興味がありました。
反乱軍が立てこもったのは、
現存する島原城ではなく、
原城(はらじょう)というところでした。
原城は燃やされ、その痕跡はほぼありません。
原城だけでなく、島原の乱については
歴史的資料がほとんど残っていません。
徳川幕府が徹底的にその痕跡を抹消したからと
言われています。
特に天草四郎については
資料が皆無といってよいほどです。
そのためプロアマ問わず様々な劇団で
天草四郎は描かれてきました。
徳川に滅ぼされた豊臣一族の末裔であるという説、
国際社会を牛耳る某組織からの派遣であるという説、
不思議な力を操るスピリチュアルな存在であるという説、
宝塚ではどんな描かれ方をしていると思いますか?
社会を動かす権力もなく、
人々が崇め奉る家柄もなく、
ましてや病人を治すような不思議なパワーも
持ち合わせていない、
ただ、当時の普通の人と違うのは、
海外を見聞し、
いろんな人種、文化を見てきた
倭寇(わこう)、
つまり海賊であったということ。
異教徒の反乱ということもあり、
反乱軍は女・子供であろうと容赦なく
皆殺しにされました。
徹底的にその痕跡を消されました。
しかし、その中でたった一人、
生き残った男がいました。
山田右衛門作(やまだ えもさく)
という男です。
メサイアは、
この山田右衛門作の回想録という形で進んでいきます。
ここから先はネタバレを含みますのでご注意ください。
記事に宗教の話が出てきますが、
特定の宗教を擁護するもしくは批判する意図は
全くありませんのでご承知おきください。
フィリピン、マカオ、インド、
そしてその周辺の海域を荒らしまわった
海賊の夜叉王丸(やしゃおうまる)は
仲間とともに、財宝を求め旅をします
しかし海難事故に遭い、船は大破し、
夜叉王丸とその仲間は
海に投げ出されてしまいます。
流れ着いた地は天草の小さな島。
天草の人たちは、
浜辺に打ち上げられた夜叉王丸を助け、
益田甚兵衛(ますだじんべい)は
自分の四番目の子として引き取ることにしました。
海賊と知られたくない夜叉王丸は
名を名乗りませんが、
益田甚兵衛は、
四番目の子なので、名を
益田四郎時貞(ますだ しろう ときさだ)
とし、我が息子として育てることにします。
島原・天草を治める藩主は
松倉勝家(まつくら かついえ)。
相当悪い殿様で、
年貢は非常に重く、
年貢を納められない者は、
活火山である
雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)に
連れていき、
煮え湯を掛け、
衣服に火をつけ、火責めにする
という極悪非道の藩主でした。
作った作物は全て年貢として取られ、
雑穀ですらまともに食べれない状況、
口答えすると、拷問にかけられ
一族みな斬首。
ここはまさに生き地獄
何のために生きているのか、、
そんな中、人々の救いになっていたのが
キリストの教え。
生きて苦難を耐える者は
死してハライソ(パラダイスの語源)という
天国に行ける。
人々はその教えだけを頼りに
苦しい生活を耐えていきます。
いや、そう思わなければ
生きてはいけなかったのです。
そんな中、藩主松倉は
さらに重い年貢を課してきました。
人々は嘆き悲しみ、神に祈りを捧げます。
が、当然、現実は何も変わりません。
天草四郎は人々に語ります。
神は我々に罰を与えないし、
救おうともしないじゃないか。
そんな神に祈り、
神のために死ぬ!?
バカげている。
生きている人間すら救えない神が
死んだ人々の魂を
ハライソ(天国)に導けるとでも
思っているのか!?
人々は嘆きます。
その通りだ、、
しかし、救いを求めなければ、生きてはいけなかった。
いつか神は救ってくれる、
死してのちハライソに行ける、
そう信じなければ、
我々は生きてはいけなかった、、
神などいないのか、、
四郎は語り掛けます。
いや、神はいる!
海賊あがりの俺を救ってくれたのは
紛れもない、あなたたちだ!
神にもできないことを
あなたたちはしてくれた。
神は我々の心の中にいる!
ただ、死を待つのではない。
死んでハライソ(天国)に行くのではない。
我々の手で
この天草の地を
ハライソに変えるんだ!!
メサイア、、
あなたこそ我らの救世主!
立ち上がろう
苦しみのない明日へ。
自分たちの手で
自由を、未来を勝ち取るんだ!
島原、天草の人々は
自由を求め、立ち上がります。
原城を拠点に島原藩の軍隊と戦い、
勝利を治めますが、
喜びも束の間、
九州諸藩の軍、
そして、なんと幕府軍までも
やってきます。
幕府軍が登場したというだけでも、
これはただの農民一揆でなかった
というのがよくわかります。
通常の農民一揆であれば、
その藩の軍と
周辺諸国の応援軍とで
余裕で鎮圧可能です。
相手は農民ですから。
この島原の乱を某国際組織が
裏で操っていた、
という憶測が飛び交うのも無理はありません。
一人逃げた山田右衛門作(やまだ えもさく)を除く
約3万7千の民衆が
幕府軍の圧倒的兵力で叩き潰され、
皆殺しにされ、
すべての痕跡を抹消されました。
女・子供でも容赦なく。
宝塚歌劇は悲劇モノが多いのですが、
悲劇であっても
決して絶望のまま終わらせない、
これが宝塚歌劇の魅力の一つです。
3万7千の人々は、
戦いには敗れましたが、
自分たちの権利を求め、
自由を求め、
果敢に幕府軍と戦い、
そして、ハライソ(天国)に行くことができた。
たとえ戦いに敗れたとしても、
戦いに挑み、
努力した、
その事実は己の中に残ります。
苦しい現実を嘆くのではなく、
自らの手で、
自分らしく生きれる明日を築いていく。
そう思わせてくれた作品でした。
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