ファントムから学ぶ家族とは何か、愛とは何か

こんにちは、憑依型女優のヘレンです。


宝塚歌劇は自分には縁遠いと勝手に判断し、
食わず嫌いをしている、

もしくは
演劇だなんて、
そんな高尚なもの自分には似合わない

と訳の分からないことを言っている人に

少しでも宝塚歌劇の魅力伝えたい、
そんな想いで記事を書いています。


本日は、雪組公演ファントです。

プログラムファントム.HEIC

ここ数年一番のチケット難の中、
立ち見も含めて8回観劇させていただきました。


8回とも号泣。


ストーリーを知っていても、
毎回新たな感情が沸きあがり、
心を揺り動かされるのは
宝塚観劇の一番の魅力です。


年明けから始まる
東京宝塚劇場にも
もちろん遠征するつもりです。



さて、劇団四季でお馴染みの
「オペラ座の怪人」は
ミラクルパワーを持つ怪人の
歪んだラブストーリーなのに対し、


「ファントム」は
父と息子の愛の物語。



現代社会においても、
母の愛は直接的なのに対し、
父の愛はわかりにくいことが多いです。



普段はとても分かりにくいけど、
それでも、父の愛は偉大です。

father.jpg

醜く生まれてしまった我が子。

それゆえ甘やかし、
わがままに育ってしまったわが子。

引きこもりで、
社会生活になじめない我が子。

歪んだ愛情でしか
女性を愛せない我が子。

それでも愛おしい大切な我が子。


醜く、
でもそれゆえ愛おしい我が子に
母は、ダイレクトに愛を伝えます。

あなたはかわいい、
あなたは才能に溢れている、
と何度も言い、

抱きしめます。


父はそんなことはしません。
いや、できないのです。

影からそっと応援します。



ここからは
多少のネタバレを含みますので、

これから観劇される方はご注意ください。



まだファントムを観たことがないのであれば、

私の解説よりも何よりも
四の五の言わずに観てほしい!


宝塚オフィシャル専門店に
Blu-ray発売日に行ったところ、

レジの大行列で
最後尾はお店の外にはみ出すほど。

かつみんなの熱気が凄すぎて
冬にも関わらず店内が暑すぎました。


行列に並ぶ人の手には
もれなくファントムのBlu-rayが
握られていました。





そんなファントムのお話です。


ファントム(怪人)と呼ばれ
恐れられる男は、

エリックという名前の
ごくありふれた青年です。


少し、
いや相当、顔が醜く
ほぼ奇形児として生まれてきました。

でも歌の才能は、ピカいち。



父はパリ、オペラ座の支配人。

ガルニエ.jpg

エリック(ファントムの本名)の母が
死んだあと、

父は醜い姿の我が子が見せ物になるのを恐れ
オペラ座の地下に住まわせます。


そして自分が父であることも隠して。


許してくれ、エリック、、
お前を捨てた父が私であることを
お前に知られることが怖いんだ。
*エリック=ファントムの本名


でも、できるだけのことを
お前にしてやろう。

何としてでもお前を育ててやろう。

お前を守り抜こう!



物語全般を通して、
父親は、息子エリックを


温かい目で追い、
都度都度、息子を守っています。


その演技は
注目していないと見逃すほど細かい演技です、

その声は
マイクで拾うのがやっとの小さい声です。


でも、父のその小さい仕草に気付いた時、
涙が止まらなくなります。



あの有名な
オペラ座のシャンデリアが落下する
ド派手なシーンでも、


舞台のシャンデリアでなく、
舞台の端にいる父親の演技に注目してください。



「この声はファントムだー!」
「あそこにいるぞー」

という怒号が飛び交う中、

神経を集中させると、
マイクで拾うか拾わないかくらいの
微かな声がします。


父はとても小さな声で
心配そうにつぶやきます。

「エリック、、」



そして、次に銃声飛び交う中、
息子の肩を抱き、
追っ手から息子を逃がしています。


その表情と仕草から、

とにかく息子を守りたい!

というのが伝わってきます。



追っ手をかわし、
父は息子に告げます。

私がお前の父親だと。



息子は父に答えます。

証もなく信じていた、
あなたが僕の父親と。

あなたと僕は目元が似ている。


あなたに呼びかけたい、

お父さん!


生まれて初めて、
「お父さん」と呼ばれた時、

一瞬、劇場中の息が止まります。


父の感じた嬉しさが
劇場中に広がり、

観客はほんの一瞬、
息ができなくなるんです。


そして悲しいラスト、


エリックが死んだ後、
そのなきがらを前に父は

じっと息子を見つめます。


決して、泣き崩れたりしません。
目線を外さず、息子の顔に近づいて、


父は、わずかにそっと微笑み、


そこで幕が降ります。


この微笑みを目撃した瞬間、

私は毎回、
嗚咽を漏らしながら泣きます。


作品の中で、
父が息子を心配して発するセリフは
そんなに多くはないのですが、


しかしながら、
作品を見終わった後、

これは父と息子の愛の物語であった

と、多くの観客が感じます。



それは、

父親ゆえの愛情の示し方なのだと
思います。



普段は愛情を表に出さない父、
口に出して、子供に愛情を伝えない父、


父の愛はとかく、わかりにくい!

それでも
父の愛は偉大です。


ーー追伸ーー

憑依型女優ヘレンが読み解くファントム、
いかがでしたか?

偏見と思い込みで書いていますので、
その考え違う!という方、
そうそう私もそう思うという方、
ぜひぜひコメントくださいね。


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