宝塚歌劇で学ぶフランス革命~ロベスピエールと恐怖政治~

こんにちは、女優のヘレンです。


ヅカファンは歴史に異様に詳しい、
ということで宝塚歌劇で学ぶ歴史シリーズです。



では早速、ヅカファンお得意の
フランス革命クイズ。



フランス革命の代表的指導者、
マクシミリアン・ロベスピエールが所属していた
政党は何という名前でしょうか?




・・・・(ちゃんと思い出してね)

eiffel-tower.jpg


正解は、ジャコバン派。


あ~、そっちか~。
ジロンド派と間違えた~。

という方もいらっしゃるでしょう。
ごっちゃになりやすいところですね。


ジロンド派で一番有名なのは、
「ジロンド派の女王」こと、
マノン・ロラン夫人。


そう、


ひかりふる路(みち)
~革命家、マクシミリアン・ロベスピエール~


にて、彩凪翔さんが演じた女性ですね。
いや~、美しかったですね。
あの凛とした感じは、
女王の風格が漂っていました。



1789年のバスティーユ襲撃にて
革命が勃発して3年後、
ジロンド派は内閣を組織します。
*ウィキペディア参照


内務大臣はロラン。
ロラン夫人の旦那さんですね。

司法大臣は、ダントン。



あれ?
ダントンってロベスピエールの親友で
ジャコバン派じゃなかったの?


そう思った方、素晴らしい!
ひかりふる路をよくご覧になっていますね。


彩風咲奈さん演じるジョルジュこと、
ダントンと

望海風斗さん演じるマキシムこと、
ロベスピエールは
共に、ジャコバン派です。


ダントンは元弁護士で弁が立ち、
政治家としても人望厚かったので、
内閣派閥外ながら、
司法大臣として起用されたのです。


作品の中でもジロンド派の一人が
言っていますね、


「ダントンめ、内閣に迎えてやったのは、
ジャコバン派を抑えるためだったというのに、
役立たずが!」


これの意味するところはわかりますか?


ジロンド派は国王容認派。
革命でぐちゃぐちゃになった
国内をまとめるため、

王制を復活させ、
革命を終結させようとしていました。


一方でジャコバン派は王制廃止を掲げて、
国王裁判を開き、ルイ16世を死刑にします。


ギロチン.png


ダントンがジャコバン派を抑えるのに失敗し、
国王を死刑に追いやってしまったことに
ジロンド派が怒っているセリフなんです。



さて、恐怖政治に話を戻しましょう。
恐怖政治といえばロベスピエール。



性格はクソ真面目(マジメ)。


ただの真面目ではないですよ。
クソ真面目です。


クソ真面目、
というところがポイントです。



自分に反対する者を殺しまくった死の独裁者
というイメージが強いですが、


幼い頃から苦労家で、
人の痛みのわかる政治家でした。


なんと、政治家になった当初は
死刑廃止法案を提出しています。
*ウィキペディア参照

これにはびっくりですね。



弁護士一家に生まれますが、
幼い頃、母と死別し、父は失踪。

故郷を離れ、パリで法律を勉強し、
弁護士となになります。



この時点でクソ真面目であることが
よくわかりますね。
グレてもよさそうな生い立ちですが、


弁護士一家ということで、
おそらくクソ真面目の遺伝子が
彼に受け継がれてたのでしょう。

dna.jpg


おそらくパリの大学でも
クソ真面目に勉強していたことでしょう。


休み時間も放課後も教科書片手に
勉強していた姿が容易に想像できます。


真面目で頑固で
友達も少なかったのではないでしょうか。



大学卒業後、故郷に帰り、
弁護士として活動します。


きっと人の痛みのわかる優しく
しかも芯のある弁護士で
人気があったことでしょう。



その後、政治家に転身します。



これからは、
周りの人々を救うために生きていく!

と決心します。


ジャコバン派に入り、
ダントンと初めて会った時には衝撃を受けたことでしょう。



なんて適当な奴だ!
そして何て魅力的な奴だ!と。

ダントンに惹かれていったことは
間違いないでしょう。



自分にない魅力を持った人に
人は引き付けられますから。



だからこそ、ダントン失脚後は
本当に混乱したと思います。


あのダントンだからこそ、
この派閥はまとまっていた。

あの人柄と人望あってこそ
この派閥は生き残っていた。


クソ真面目なだけで何の取り柄もない自分が
これからどうやって
この派閥を仕切っていくのか。


俺はこれから、
どうすればいいのだーーーー!?

と、自分の取り柄の無さ、
人望の薄さを憎み、
大いに悩んだことでしょう。



そこに登場するのが、

若く美しく、そして冷酷な政治家
サン=ジュスト。

朝美絢さんが演じていましたね。
本当に美しかったです。
オペラグラスでずっと追ってしまうほど
美しかったです。



見た目だけでなく、
サン=ジュストの演説は
人を魅了するものがありました。


彼の演説で世論が動き、
国王は死刑になったほどですから。



悩み苦しむロベスピエールに寄り添い、
美貌と熱い論舌で導きます。

あなたは、神に選ばれし救世主。
この国を、この苦難を救うのはあなた。


ロベスピエールは、
クソ真面目ですから、
こう思ったことでしょう。


そうだ!俺こそがこの国を救うのだ。
この国の苦難のすべてを俺が引き受け、
俺がフランス国民全員を幸せに導くのだ。

そのためなら、俺はどんなことでも
やってみせよう!



真面目か!?

という突っ込みが聞こえてきそうですね。

はい、そうです。真面目です。
クソ真面目です。


真面目すぎるが故、
全ての苦難を俺がなんとかする!
と思ってしまったのです。


誰かに相談する
という考えもなかったでしょう。

だって、自分ひとりで何とかしなければと
考えていたのですから。


思いつめて思いつめて
出てきた答えが、


得なき恐怖は忌まわしく
恐怖なき徳は無力である


でおなじみの

恐怖政治です。


そして、フランスは
残虐な黒歴史の中に突入します。



人の感情が大きく動いたときに
歴史も動きます。


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今日も素敵な俳優ライフを。



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